せとまちコラムSetomachi Column
ヨモギの抗がん作用 アルテスネート
点滴療法からだに優しいがん治療2023.02.01

最近、突然見つかる進行がんの相談が増えています。
がん治療は様々な治療がありますが、個別に血液中のがん細胞を評価し、どの治療が効くのか評価できるCTC(循環腫瘍細胞)検査をすると、ビタミンCと同じくらいの頻度でアルテスネートという成分に抗がん効果が期待できることが多いです。
アルテスネートはヨモギの一種でセイコウという草に多く含まれており古くから解熱剤として使用されていましたが、最近強い抗がん作用があるということがわかりました。
なぜがんに効果があるかというと、がん細胞はもともと鉄を取り込む性質があり、鉄に反応したアルテスネートが活性酸素を発生し、活性酸素に弱いがん細胞が死滅するという機序と考えられます。海外では多くの人に実際に使われているため、副作用なども少なく安全性も高い薬剤です。
ヨモギを使った食品やヨモギそのものを摂取することで、抗がん効果の他にも様々な健康効果が期待できますが、食事での摂取は殆どが肝臓で代謝されてしまいます。そのため、進行したがんではアルテスネートを直接点滴で投与しています。高濃度ビタミンC点滴との相乗効果も期待できます。
当院では患者様の状態に合わせて様々な治療選択の中から、個別の治療法を提案させて頂きます。
記事監修
米澤 公器
瀬戸のまち統合治療院
よねざわ生活習慣病・脳クリニック院長
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